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福島第一原発20キロ圏内ツアーに行ってきた

   

NPO法人野馬土の福島第一原発20キロ圏内ツアー

今日はNPO法人「野馬土」の福島第一原発20キロ圏内ツアーに参加して20キロ圏内を取材してきました。

野馬土は震災後に相馬市で結成されたNPO法人で、名前は遊牧民のノマドと相馬の野馬を掛けています。野馬土では地域の特産品の直売所の運営・放射線量測定・太陽光発電・カフェ野馬土の運営そして20キロ圏内ツアーを行っています。9月に野馬土の公式サイトからツアーを申し込みました。

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野馬土公式サイト

申し込んでから何度か日程についてメールでやり取りして10月11日に参加することになりました。参加費用はありません。ただガイドブック500円とNPO法人として寄付でこの20キロ圏内ツアーも運営されているのでその点についてご理解をお願いいたしますとのことでした。当日に寄付金を持って参加しました。

野馬土に集合

そして10月11日の出発日。朝10時に野馬土集合です。私を含めて4人の参加者をガイドの車で20キロ圏内へ案内するとのことでした。私が1番乗りでカフェ野馬土の中で待たせてもらいました。

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カフェ野馬土の中はなかなかおしゃれでした。Macで野馬土でノマドできそうです。参加者が集まってきて、東京都の20代学生っぽい若者が1人、埼玉県の定年退職したばかりのおっさんが1人、相馬市民のおっさんが1人でした。そしてガイドが到着。ガイドの車に乗り込んでまずは浪江町の希望の牧場へと向かいました。

希望の牧場

希望の牧場へ向かう途中で何度も除染作業の様子を目にしました。

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山を除染する場合はこのように山の木を丸ごと削って除染します。かなりの自然破壊でもあり土砂災害のリスクやコストも莫大なため住宅地など平地の除染に比べて山間部の除染はあまり進んではいません。除染してもその土をどうするかもあまり決まっていません。

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希望の牧場に到着しました。

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牧場主の吉沢さん。放射線量が高いため殺処分と決まった牛300頭を現在も飼っています。もちろん市場への出荷はできません。牛達の寿命が来るまでここで飼い続けるそうです。

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薬殺処分された牛や豚の写真も見せてもらいました。震災の時に置いてきぼりにされて死んで腐敗した牛の写真も見せられたのですが、だいぶ衝撃的な写真のためここでの掲載はいたしません。吉沢さんは今年の浪江町町長選挙に立候補しましたが落選されたそうです。吉沢さんのお話は正直だいぶ偏っていると感じたのですが、ここで牛300頭の面倒をずっと見続けているのは立派だと思いました。

佐藤さんの家

次に浪江町の佐藤さんという方の民家へ行きました。佐藤さんは現在も避難生活を送っていますが、現状を知ってほしいと家はツアーのために立入や撮影を許可されています。

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家の中は空き巣やイノシシなどの獣が入ったと思われる形跡があって荒れ放題で、この状態で帰るのは難しそうです。

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ガイドが佐藤さんの家の庭の更地でガイガーカウンタを取り出して数値を見せてくれました。数値は0.665μシーベルト(毎時)。その後、家の裏手にある斜面の林へと10メートルほど移動しました。ここは除染されていません。

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除染されていない場所だと線量は2.593μシーベルトと高くなるようです。

白いフェンス

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雨天で走行中の車内からスマホで撮ったのでうまく撮れていませんが、浪江町のいたるところに放射性廃棄物の仮置き場があって白いフェンスで囲まれています。放射性廃棄物をこの中に中間貯蔵施設ができるまで仮置きしています。

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近くを通ると白いフェンスがずっと続いていて圧巻です。

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田園風景だったと思われますが現在は耕す人がいません。

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走行中の車内から斜めになっていてすみません。浪江駅から南側の常磐線不通区間です。奥に白い看板のようなものが見えます。元々、相馬や浪江からは常磐線で上野まで直通で行けましたが、浪江町以南は津波で流されたのと福島第一原発の近くを通るため現在も不通となっています。東京へ行くにはいったん北上して仙台から新幹線に乗るか、バスを乗り継いでいわきまで移動して電車に乗る必要があります。

浪江町市街地

浪江町の中心市街地に入りました。浪江町の市街地の写真は以前の記事で紹介しましたので今回は割愛します。以前の記事に付け加えるとすれば市街地の建物は取り壊されて更地になっている場所がかなり増えました。

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浪江町の人口17,736人のうち帰還された方は848人です(2018年9月現在)。

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浪江町役場の隣にできたプレハブの商店街「まち・なみ・まるしぇ」でお昼となりました。

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私が頼んだのは海鮮丼(1,300円)。お店のおばちゃんが笑顔で持ってきてくれました。すごく美味しかったです。埼玉県川越市から来たおっさんと2人で食べたのですが、私も川越の近くの東松山市に住んでいたことがあったので、川越の菓子屋商店街や時の鐘の話題で盛り上がりました。定年退職してから全国を旅して回っているそうで、福島のツアーを探していたときにこの20キロ圏内ツアーを見つけて申し込んだそうです。

浪江の海へ

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海を目指して進みます。この白い建物は仮設焼却場です。災害廃棄物を暫定的に焼却しています。手前のブルドーザーは防潮堤の建設を行っています。

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浪江町の請戸漁港のメインストリートだった場所です。津波で流されて現在は雑草が生い茂っています。

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おそらく玄関だったと思われます。

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漁船です。浪江町でも規模は小さいですが試験操業で漁業が再開しています。ただ福島の海産物は放射線測定検査を厳密に行って安全性が確認されて出荷しても売れないため地元で食べることが多いそうです。相馬も同じです。

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浪江町立請戸小学校。津波で流されました。小学校の時計台は津波発生時刻で止まったままです。児童は全員高台へと避難して無事でした。現在は廃校になっています。

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ズームの限界で読みにくいですが学校の施設には「電源立地促進対策交付金施設」という表記が掲示されていました。原発を誘致する見返りとして建設された施設です。

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児童達も避難した請戸を見おろす高台には慰霊碑が建てられています。表には津波で亡くなられた方々の名前が、裏には原発事故と避難指示のため津波犠牲者の捜索や救助を途中で打ち切らざるを得なかった無念と復興への願いが刻まれています。

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慰霊碑のある高台から見おろした現在の請戸です。

福島第一原発

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双葉町へ進みます。この辺は立入禁止のため一般人は車から降りて歩くことが許可されていません。警備の人が立っています。

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双葉町の田畑は全く除染されていないため雑草の高さも浪江町よりもずっと高く森のようでした。

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ファミリーマートの廃墟です。

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歩行者用地下道も入れそうにありません。

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福島第一原発へ向かう道路。検問があり通行証がないと入れません。ツアーで進めるのはここまで。

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第一原発の赤いクレーンが見えました。

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検問付近のガイガーカウンターの値は3.985μシーベルト(毎時)。撮影できなかったですが一瞬4μシーベルトも越えました。1年間は8,820時間ですので、4×8820=34880、年間で34.8ミリシーベルトの放射線量となるかと思います。国の安全基準は年間20ミリシーベルトです。

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双葉町で震災直後に住民の避難誘導にあたって津波で犠牲となった警察官のパトカー。沢山の花やお供え物が置かれていました。

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双葉町を突き抜けて富岡町へ。富岡町では帰還困難区域が住宅街を分断しているため町の道路にバリケードが設置されて関係者や現地住民以外の一般人は入れないようにしています。この辺は桜の名所です。

野馬土へ帰還

これでツアーは全部終了です。野馬土へと帰りました。

いかがでしたでしょうか。うまく写真が撮れなかった場所やどんな場所なのか理解できなかった所も沢山あって記事に書いたのはごく一部です。もし興味を持たれたら団体でも個人でも誰でも参加できますのでツアーを申し込んでみるのも良いかもしれません。

回りたい場所をあらかじめ野馬土に伝えるとある程度アレンジしてくれるそうです。またガイドも数名で運営されていてガイドによっても回るコースは違うそうです。福島の今を知ることのできるツアーである自信を持ってオススメできます。

nomado.info

(蛇足)最後にガイドの方から「齊藤さんもガイドやってみない?」と誘われました。免許を持っていないことを話したのですが、バスで回っても良いとのこと。うーん、考えてみよう。