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投票日に公職選挙法違反となるネット活動

   

投票日は選挙運動期間ではない

衆議院選挙は明日投票日ですね。私も明日投票します。

以前に公職選挙法違反の不思議な世界という記事を書きましたが、投票日は選挙運動期間外であるという点にも注意が必要です。選挙運動期間は告示日から投票日の前日までです。投票日当日に「○○候補に投票しよう」「○○党に投票しよう」と呼びかけたら選挙違反となります。これは立候補者だけではなく、有権者も同じです。

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総務省パンフレット「選挙運動期間外に選挙運動をしてはいけません」

投票日に選挙違反となるネット活動

投票日当日にはどのようなネット活動が公職選挙法違反となるのでしょうか。総務省のサイトに掲載されている「改正公職選挙法(インターネット選挙運動解禁)ガイドライン」では、以下のように記載されています。

【問38】 選挙期日の当日にウェブサイト等を更新したり、選挙運動用電子メールを送信したりすることはできるか。また、選挙運動期間中にウェブサイトに掲載した選挙運動用文書図画は、選挙期日の当日も削除せずにそのまま残しておくことができるか。選挙期日の翌日以降はどうか。

【答】

選挙期日の当日における選挙運動用文書図画の頒布については、従前と同じく禁止されており、ウェブサイトの更新や選挙運動用電子メールの送信は行うことができない(公職選挙法129条)。また、選挙運動用電子メール送信者が選挙期日の前日までに受信者に電子メールを受信させる意図で、その送信行為を選挙運動期間中に行った場合には、仮に、電子メールサーバーのトラブル等の予期し得ない事情により、受信者が選挙運動用電子メールを受信した日が選挙期日の当日以降となっても、一般的には、同法129条に違反することにはならないものと考えられる。


選挙運動期間中にウェブサイトに掲載された選挙運動用文書図画は、選挙期日の当日においても、削除することなくそのまま残しておくことができる(公職選挙法142条の3第2項)。選挙運動期間中にウェブサイトに掲載された選挙運動用文書図画は選挙運動性を有するため、選挙期日の当日においても当該文書図画を不特定又は多数の者が閲覧することができる状態に置いたままにする行為は、特段の規定がなければ、選挙期日の当日における選挙運動を禁止する同法129条に違反するおそれがある。

このような解釈を踏まえ、また、ウェブサイト等を利用する方法による選挙運動用文書図画の頒布の特性等を勘案して、政策的に、選挙運動期間中にウェブサイト等に掲載された選挙運動用文書図画については、同法129条の規定にかかわらず、選挙期日の当日においても、受信者の通信端末機器の映像面に表示させることができる状態に置いたままにすることができることとした。

投票日には特定候補や特定政党への投票を呼びかけるWebサイトの更新を行うことはできません。ただし、選挙前日までに掲載してきたWebサイトのコンテンツを削除する必要はなく残しておくことはできます。

電子メールは元から公職選挙法では有権者どうしがメールで投票依頼を行うことは禁止されていますが、公職選挙法で許可されている候補者からのメール依頼も投票日当日は禁止されています。メールサーバーのトラブルなどでメール送受信に遅延が発生して当日に届いてしまった場合はやむを得ないと許可されています。

SNSでの特定候補や政党の投票依頼は違反か

Twitterやfacebookなどで特定候補や特定政党への投票を呼びかける投稿も、選挙運動用文書図画の頒布にあたり、投票日当日に行うことは選挙違反となります。

それでは投票日当日にTwitterのリツイートやfacebookいいねなどはどうでしょうか。この点はガイドラインも判例も存在せずまだ未確定な領域ではありますが、何が「選挙運動」にあたるのかを考えていけばヒントが見つかると思われます。

未成年には選挙運動が禁止されていますが、特定候補や政党への投票を呼びかけるツイートのリツイートも選挙運動に該当するので未成年は禁止という総務省のガイドラインがあります。この解釈が適用されて、投票日当日に特定候補や特定政党の宣伝にあたりツイートをリツイートしたりfacebookシェアすることは公職選挙法違反となる可能性が高いと思われます。実際に罪になるかは裁判所の判例が出ないと微妙なところですが、行政はそう解釈するでしょう。

一方、facebookいいねは総務省のガイドラインでは未成年でも選挙運動にあたらないと許可されており、それが適用されて投票日当日にもTwitterやfacebookの投稿にいいねを押す行為は誰でも許可される可能性が高いです。

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総務省チラシ 選挙運動として未成年が禁止されているネット活動)

現状でリツイートやシェア禁止を厳格に適用すると逮捕者が続出して社会が大混乱に陥るので、警察などもそこまで事細かにチェックしたり取り締まることは少ないと思います。しかし、遵法精神で選挙当日は特定候補や政党への投票を呼びかけるリツイートやシェアは行わない方が良いでしょう。この辺、まだガイドラインが整備されていない分野であり、総務省が明確化する必要があるように思います。

投票所で特定候補や政党について名前を書いた投票用紙をSNSにアップロードするのも、公職選挙法が禁止している投票干渉にあたる可能性が高く、1年以下の禁錮または30万円以下の罰金というかなり重い罪が科されます。投票所でインスタ映えする写真が撮りたくなっても我慢しましょう。

公職選挙法は全く時代にそぐわないように思いますが、悪法もまた法なり。

Twitterやfacebookで投票に行こうと呼びかけるのはOK

特定候補や特定政党に関する宣伝やネガティブキャンペーンではなく、「投票日なので投票に行こう」「若者が投票に行くと世の中が変わる」など投票を呼びかけるのは公職選挙法でも許可されています。どんどん呼びかけましょう。電話やメールでも呼びかけ可能です。

この辺の合法性を利用して投票日当日に選挙事務所が「こちらは選挙への投票を呼びかけている有志の会でございます。今日は投票日です。投票に行きましょう」と支持者宅や自陣営への投票可能性が高い名簿宅へ電話している陣営もあるので、闇が深いですね。

実務と研修のためのわかりやすい公職選挙法 第15次改訂版

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