はてな村定点観測所

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パソコン通信時代の記録は文化遺産にするべき

   

パソコン通信はネット社会の源流

小生の90年代はインターネットよりもパソコン通信をやっている時間が長かったです。市内には草の根BBSのホストや商用ネットは無く、2つ以上市外局番の離れた草の根BBS(いわき銀河計画とHou-Net)をメインにしながらNifty-Serveや東京BBSなどにも時々接続していました。

パソコン通信の文化は一部がインターネットに吸収され現在も残っているものがありますが、既に途絶えた文化や死語となってしまった言葉も多数あります。パソコン通信文化は現在のネット社会の源流であったので、文化遺産として保護されるべきだと思います。小生が記憶している「死語となったパソコン通信用語」をスラングも含めて紹介いたします。パソコン通信時代を知らない人にも当時のパソコン通信文化を理解する一助となれば幸いです。

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(パソコン通信を題材にしたTBSドラマ「空と海をこえて」)

パソコン通信スラング

(ぉ

おいおいの意味。自分が突拍子も無いことを言った時のセルフツッコミに使われることが多かった。(お、(オ、(オイなどの表記もあった。

(汁

(汗のような冷や汗よりも画数が一つ少なく、少し冷や汗をかいた状態。現在のような「○○しろ」という命令の意味はなかった。

ishソフトウェアまたは.ishフォーマットのこと。テキストデータしか送受信できない環境でバイナリデータを送受信する時に使われた。

MAG

MAG画像フォーマットのこと。インターネットが普及する前に日本では幅広く使われていた。

マグロ

MAG画像アップローダーの「まぐろーだー」のこと。「鮪だ」とも呼ばれた。

☆ミ

会話やハンドルネームの末尾に「☆ミ」をつけるのが流行っていた。特に意味はないが柔らかさを出すものであった。「★彡」と表記される場合もあった。

DOM

ダウンロードオンリーメンバーのこと。ROMは現在も残ったが、DOMは消えてしまった。

おチャ会

チャットミーティングのこと。

化石レス

掲示板に古い話題を返信すること。亀レスに近いが、化石レスはもう誰もが完全に忘れている話題への返信を指す場合が多かった。

みかか

NTTのこと。カナ入力時の文字列から。NTTの電話料金はみかか代。ネット初期もダイアルアップ時代に使われていたが現在は死語となった。

(バキ

主にセルフツッコミに使われることが多い。何かの発言にツッコミを入れている状態。

(爆)

(笑)よりも強い爆笑。現在の大草原不可避に近い。(核爆)は(爆)よりも更に強い爆笑。

シスオペ

ktbbsなどで構築された草の根BBSでは管理者のこと。NIFTY-Serveではフォーラム管理者を指した。PC-VANではシグオペと呼ばれた。

^H

バックスペース。転じて現在の打ち消し線のような使われ方をしていた。「死亡^H[^H志望」など。

タト

ネット廃人。ネット廃人は「外道」と呼ばれることがあった。これを文字を分解して表現したもの。(核爆)は「木亥火暴」とも表記された。後にクサチュー語と呼ばれることになる。

おまけ「空と海をこえて」

「空と海を越えて」は1989年9月16日にTBS系列で放映されたパソコン通信を題材にしたドラマです。当時の小生は小学3年生でパソコンを持っていませんでしたが、このドラマを見ておぼろげながら「パソコン通信はすごい!」と思ったのを憶えています。

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高校生になったあかね(後藤久美子)は学習塾の後輩の子供達を連れて沖縄の無人島でキャンプを開催しますが、そこで土に付いたキャベツの浅漬けを食べたためにボツリヌス菌の集団食中毒が発生し子供達が次々と倒れていきました。あかねが電話で島の外部に助けを求めようとしますが、電話機は昼間に子供達の野球のボールが当たって壊れていました。

あかねは天体観測用にパソコンを持ち込んできており、電話線を引き抜いてドライバーでモデムに固定して電話を掛けるアイディアを思いつきました。しかし当時のモデムを経由しては音声通話ができないため、パソコン通信の草の根BBSに接続してチャットでオンラインの人達に救援を求めました。しかし、どのチャットでも荒らしだと思われて相手にしてくれませんでした。

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最後にあかねが接続したのは「芭蕉ネット」という芭蕉の俳句を詠んでいく草の根BBSでした。偶然にも芭蕉ネットの参加者の兄(加藤茶)の子供が沖縄のキャンプに参加していました。

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この後に芭蕉ネットのメンバーを中心に救援活動が始まり、ボツリヌス菌による食中毒であると突き止めました。しかしこのボツリヌス菌が国内には血清のない希少種であることが判明し、パソコン通信を使ってフランスのパスツール研究所に助けを求めました。そして…。

今でこそインターネットをテーマにしたテレビドラマは多いですが、「空と海をこえて」はそのようなドラマの先駆けであったと思います。これも貴重な文化遺産であり、再放送か少なくともDVD販売またはネット配信されるべきだと思います。現状では家庭のビデオテープにしか残っていません。

パソコン通信文化は現代のネット社会に多大な功績を残したにもかかわらず、その記録が徐々に失われていっている危機遺産です。小生の愚見を申しますと、みんなで協力して保護していくべきではないかと愚考しております。

NIFTY SERVE MAGAZINE 1998年03月号

NIFTY SERVE MAGAZINE 1998年03月号